SIGMA fp 4K「Color Mode Off / Teal & Orange テスト映像」制作で感じたこと | 32ARTS(サニーアーツ)

SIGMA fp 4K「Color Mode Off / Teal & Orange テスト映像」制作で感じたこと

曽木の滝/鹿児島県伊佐市

シグマfpのファームウェアVer.2.00のアップデートで追加されたカラーモード・オフの Test footage(テスト映像)を制作してみました。撮影やカラーグレーディングで感じたことメリット・デメリット、そしてシグマfpで話題となったカラーモードティールアンドオレンジの映像も含め紹介します。

1)Color Mode:Off機能はLOG(ログ)の代用として使えるか!?

SIGMA fpは現時点(202011/27)で世界最小最軽量のフルサイズミラーレスカメラでありながらCinemaDNG(RAW)の動画撮影ができるということが最大特徴。シグマfpのコンセプト、ボディのデザイン性に惚れ込み購入した筆者ではありますが、庶民的な経済状況の私にとってファイル容量・PCスペックの問題で日常的に使用するのは厳しいというのが本音。なにより近年のデジタルカメラの進化に対し動画制作に関してはPC性能はまだまだ追いついていない…と独りよがりな見解はさておき。fpはファームウェアVer.2.00のアップデートでLOG(ログ)収録の追加を予定!?されていたが、残念ながらLOGの対応ができないという結果に(しょんぼり…)その代わりとして追加されたColor Mode OFF(切)モード。いやいや、RAW撮影ではこれまではフラットに近い設定ではスタンダードまたはニュートラルしかなかったが、上と下を見ておきたいという場合のために追加されたカラーモードと考えた方が正解だろう。と言いつつも今回、このOFFモードがLOGの代用として使えないかとテスト撮影し動画制作してみましたのでご覧ください。また実際にColor Mode:Off機能を使い撮影、編集して感じたことも一緒にお話しさせて頂きたいと思います。
※ここで書いた内容は、あくまでも個人的な見解によるものであり、まだまだ未熟なスキルの筆者目線とご理解頂き参考にして頂ければ幸いです。

Teal & Orange(ティールアンドオレンジ)の撮影映像あり

動画の後半ではSIGMA fpで人気のカラーモード「Teal & Orange(ティールアンドオレンジ)」 で撮影した映像も入っておりますので、こちらも是非、最後までご覧頂けると幸いです。なお、Color Mode Off / Teal & Orange のいずれも、ALL-Iで撮影、一般的な圧縮コーデックH.264の記録なのでLOGやRAWのようにカラーグレーディングには不向きなので、画質を損なわない最小限に抑えた調整をしています。

曽木の滝公園のベンチ

撮影場所は「曽木の滝」

鹿児島県伊佐市にある東洋のナイアガラといわれている「曽木の滝」。曽木の滝は紅葉の観光スポットとしても人気で、正直なことを言いますと…この日は紅葉の時期ということもあり紅葉の撮影に向かったわけですが到着すると紅葉はピークを過ぎ、というかすっかり紅葉のタイミングを逃してしまった状態。しかも、どんよりとした曇り空。。。とテンション上がらない残念なタイミングでしたので、前々から試したかった「SIGMA fp カラーモード・オフ」のテスト撮影に変更した次第です。またsigma fpで話題となっていたTeal & Orangeは紅葉の景色にもピッタリのカラーモードですので一緒にこのモードでも撮影。少し寂しくなった紅葉にも色どりを添え、寂しくも味わいある画を表現してくれています。

曽木の滝公園の紅葉ーもみじ

撮影に使用した機材

  • Camera : SIGMA fp
  • Lens : Sigma 85mm f1.4 DG DN Art
  • ND Filter: Kenko Pro1 77mm ND8,16
  • Color grading: Davinci Resolve

制作した動画はこちらです。Color Mode:Off機能を使った感想をご覧いただく前に動画をご覧頂ください。


2)Color Mode:Off機能を使って感じたこと

モニター(プレビュー)が見えにくい

ご存じのようにfpはファインダーが無いわけで、背面のモニターからプレビューを見て撮影となりますが、当然のことながらColor Mode:Off設定の場合プレビューもパッと見は色味、明暗の弱い、のぺっ~とした眠たい映像になります。これがどう影響するかというと、通常、屋外では日光でカメラモニターは見えにくくなりますが、Color Mode:Off設定することでにさらに見えにくい。撮影中も時々ピント合ってる?とかアングルは大丈夫か?とかなってしまいます。普段ならカメラを向けモニター越しに「いま、いい画だ」なんて感じながら撮影し、それがカメラの醍醐味と思っていますが、そういう感覚になりにくいというか。写真でいうならシャッターチャンスが分からなくなってしまう印象を受けます。それを言ったらLOG(ログ)撮影も似たようなものではありますので…仮にLOGが使えると仮定した場合を考えれば問題視する点ではないとも言えます。対策としてはSIGMA LCDビューファインダーを付ければいい話ではありますが、携帯性を重視している私のスタイルには合わないので、今後は、もう少しOFFモードを試しながら検討していきたい。

損失の少ない映像を撮ることができる

撮影時はモニターのプレビューにヒストグラムも表示させて適正露出を確認しながら撮影していますが、他のカラーモードに比べ露出オーバーを防ぎやすく、映像損失を防ぐことが容易となります。結果的に白とびや黒潰れなど階調損失の少ない素材でカラーグレーディングができるのでこの点が大きなメリットと考えます。
もう少しOFFモードについて掘り下て話しますと…。デジタルカメラでは、各種カラーモードで出力されるJPEG画像や通常の動画データはイメージセンサーから出力されたデータ(画)をカメラ内のRAWデータを使い画像処理回路により出力されたものです。このOFFモードはそのRAWデータを使用せずに出力されたもの考えます。カメラ内でRAW画像処理された撮って出しで使えるメリハリのあるデータはOFFモードよりも階調損失が起きやすいため、撮影はシビアになりますが、この点はメリットになります。ただ、カラーグレーディングには不向きなデータではあるので…。

LOGに比べると劣化が起きやすく表現幅も低い

LOGは光の濃淡である階調を対数を使って数値化したもので、広いダイナミックレンジでの収録が可能です。一方、カラーOFFの映像データとは収録の情報量が違いますのでLOGに比べカラーグレーディングの表現幅は下がり、LOGに比べると劣化が起きやすく美しい映像へ仕上げるには難易度は高く、表現幅も低いと言えます。とは言え、破綻を最小限に抑えながらの上品なグレーディングに心がければ一定のクオリティは表現できたのではないかと思っております。

曽木の滝/sigma fp

3)まとめ:今後の活用の有無

正直なところ、LOGと比較するのは酷であるが、筆者のようにRAW撮影だけで動画制作を行うのは昨今のPC環境事情を考えるとコスト面での負担は無視できません。SIGMA fpを愛用するものとしての視点で考えるとCinemaDNG(RAW)を使いつつも、上品なカラーグレーディングを前提とした普段使いの撮影ではOFFも使えないことはない。と言ったところです。個人的には、やはり、他のカラーモードで撮影時にしっかり露出やホワイトバランスなどの調整を行って撮って出しで使用した方が、クオリティの高い映像に仕上がると感じました。SIGMA fpはカラーモードをさらにカメラ内で調整し撮影できるので、そちらで撮影の幅を広げる方が良いでしょう。とはいえ、使い方と仕上げ方次第ではこれもありかも!?動画をみてご判断ください。
LOG、RAWでも基礎的なところが大事なことに変わりはありませんが、より劣化しやすい繊細で表現幅の低い素材ですので難易度は上がると認識しカラーグレーディングの基礎をしっかり理解しておく必要はあると思います。